コラム詳細

エルメスのピコタンが買えない理由には、人気の高さに対する供給不足や購入制限、転売の影響など、複数の要因が重なっています。

①需要過多による品薄状態が続いている

ピコタンは、エルメスのバッグの中でも比較的手に取りやすい価格帯で、上品なデザインと高い実用性を兼ね備えています。そのバランスの良さから、幅広い世代に支持されており、近年はSNSやインフルエンサーの影響で世界的な人気がさらに高まっています。

しかし、エルメスは大量生産を行わず、職人の手作業によって丁寧に製造されているのが特徴です。供給数に限りがあり、需要の増加に対して供給が追いつかない状況が続いています。

入荷してもすぐに完売する状態が常態化しており、ファンにとっては「出会えたらラッキー」な希少な存在になっています。

②店舗への入荷が不定期で予測できない

エルメスの正規店舗では、バッグの入荷スケジュールが一般公開されておらず、どのモデルがいつ入ってくるのかを事前に知ることはできません。この入荷の不透明さにより、来店時に確実にピコタンに出会えるとは限らず、購入のチャンスは運に左右されます。

店舗を頻繁に訪れたり、オンラインショップで入荷を確認したりする「エルパト＝エルメスパトロール」をしても確実性は低く、多くの人が何度も足を運ぶことになります。この現状も、ピコタンが「買えない」と感じる要因のひとつです。

③購入制限や販売方針が厳しく設定されている

エルメスでは、顧客の公平性を保つために購入制限が設けられており、1年間に購入できるバッグの数や同一モデルの重複購入が制限されています。人気商品であるピコタンはその対象に該当しているため、購入制限数を超えた場合は購入できません。

また、人気商品は既存顧客に優先して案内される傾向があるため、初めての来店で目当てのバッグを購入するのは難しいともいわれています。これは、顧客との信頼関係や購入履歴も販売に影響する要素となるためです。

このような販売方針は、ブランド価値を守るために必要なものと言えるでしょう。しかし、結果として多くの人にとってピコタンのような人気商品が「手に入らない存在」となっています。

④転売目的の購入による流通の歪みがある

昨今、エルメスの人気バッグはプレミア価格で取引されることが多く、転売目的で購入しようとする人も後を絶ちません。ピコタンも例外ではなく、正規店では入手が難しい状態が続く中、フリマアプリや海外サイトでは定価以上の価格で出品されています。

こうした転売需要によって、本来のエルメスのファンが購入しづらくなるという悪循環が生まれています。

⑤オンラインショップですぐに完売してしまう

エルメス公式オンラインショップでは、稀にピコタンが販売されることがありますが、出品されてもすぐに売り切れるケースがほとんどです。事前の販売予告がないため、いつ出品されるかを正確に知る術がなく、購入希望者はこまめなチェックが欠かせません。

また、購入手続きに進もうとしても、その間に他のユーザーが先に購入してしまうこともあります。アクセスの集中や通信環境によっては、一度確保できても購入が完了しない場合もあるので注意が必要です。